ここ、シンガポールでも東京の秋葉原と言えるところは存在している。何度となく、ブログ等で取り上げられているだろう。しかし、秋葉原の主人公的な分野としてよく見かける、マンガやアニメと言ったカルチャーを期待できるほどの存在ではないだろう。
どちらかと言えば、携帯電話のない時代に離れたところにいる人々と話すためにアマチュア無線の資格を取得し、自分の腕を試すべく自ら設計図を引き、自作で無線機を作ってしまう世代は、昔の電子パーツで埋もれた秋葉原の雰囲気と言えば容易に理解できるだろう。また、コンピュータがキットとして発売されていた時代、初めてプログラムに興味をもってゲームを作って、コンピュータの雑誌にその作った趣味のゲームを投稿した経験があるオジサン達の方がしっくりくるに違いない。そんな、懐かしい香りがする場所でもある。
そして、コンピュータが一般家庭にも浸透し、ノート型パソコンが主流となり、今ではスマートフォンやタブレットが時代の最先端のごとく店内に多数の種類がひしめき合う、そんな時代をも体験できるだろうと思える場所でもある。
シンガポールでは、”シンガポールの秋葉原”と言われているところが3か所あるので、順に紹介していこうと思う。
『SIM LIM TOWER』と『SIM LIM SQUARE』は、お互いのビルが交差点を挟んで立っている。しかし、現在はその交差点辺りは工事しているために『SIM LIM TOWER』の入り口が見つかりにくい状況となっている。しかし、ちゃんと営業をしているので安心してほしい。ただし、建物の周辺をぐるっとまわる必要がある。もちろん、『SIM LIM SQUARE』も目の前が工事しているが、こちらは比較的に入り口はわかりやすいだろう。なお、最寄り駅はMRT ブギス駅(EW12/DT14)になる。『SIM LIM SQUARE』に向かうなら、『ブギス・ストリート』という原宿的なファッションを中心とするお店が多数入っている観光スポットになっている場所があるが、そこを抜けるのがわかりやすいだろう。抜けてしばらく歩くと『Burlington Square (バーリントンスクエア)』が左側に見えるだろう。その右側に『SIM LIM SQUARE』を見つけることができる。
では、秋葉原的なモールや建物を3か所紹介していこう。
『SIM LIM TOWER(森林大廈)』
この『SIM LIM TOWER』は、雰囲気的には昔の秋葉原である。アマチュア無線の試験を合格した後に、さらに勉強して無線機を自作する。無線機を作るにはやはり電子部品を買ってくる必要が出てくる。半田ごて片手に作ると言えば無線機だけでなく、お風呂の水がある位置まで来たら電子ブザーの音がなるおもちゃや、中学時代に家庭・技術でインターフォンを作ったことが刺激になって多数の電子キットなどを買ってきて作ったことなどを思い出すだろうと思われる。そのような記憶にあるオジサン達が懐かしいと思うような電子キットやパーツなどが多数そろったお店がたくさんある。
つまり、電子工作するためのものが多数そろえており、例えば抵抗器やコンデンサーやICなどのチップ、そしていろいろなコネクターやケーブルや工具が売られているお店が多数ある場所。また、組込み用の小さいコンピュータが売られているお店も少しはあるようだ。他では舞台用の照明機器や業務用のオーディオを扱う店が見つかる。お店の傾向から言えば、その手の専門度は高いと個人的には感じた。
『Sim Lim Square』
こちらは、カメラやビデオなどのごく普通の家庭で使うものからプロ向けまでそろう。若干の専門度は高いと個人的には感じた。また、一般的なノート型パソコンやスマートフォンやタブレットまで扱う店も見られる。そして、ネットワーク関係も少々見られた。特に目立ったのはこちらの建物の中にはスマートフォンの修理を行うお店まがいくつも見られるということだ。もちろん、普通のデスクトップ型パソコンからノート型パソコンまでの修理を行う店も意外と多いのである。もちろん、スマートフォンのアクセサリーなども多数見つかるだろう。また、プロ向けの業務用音響機器が意外とあちらこちらにあったのは印象できではあった。なお、修理などを行うお店やプロ向けの機器を扱うお店などが意外と多く見つかったので、困った時には何とかなりそうな気もするような空気ではあった。
『Funan DigitaLife Mall』
カメラやノート型パソコン、そしてスマートフォンなどの一般向けデジタル機器を扱うお店が多数ある。どちらかと言えば、初心者に丁寧に教えるような一般向けな感じが強い。そして、上の階には秋葉原のカルチャーに近いだろう多数のフィギュアを扱うお店がいくつか見つかるだろう。以前、ここにはメイドカフェがあったがいまはない。しかし、先日、コスプレのイベントが行われた場所でもあるため、期間限定でメイド&執事カフェが営業していたようだ。しかしながら、こちらのモールではデジタル家電以外の、例えば文房具店や家具などのお店が存在している。個人的な感じではデジタルとは関係ないお店が以前よりは増えている気がした。なお、こちらはMRTのCity Hall駅(EW13/NS25)の近くにある。
以上、シンガポールで秋葉原的であるといわれている代表的なモールもしくは建物である。どちらも少しは歩くことにはなるが、のぞいてみるといいだろう。
■アクセス情報
『SIM LIM TOWER(森林大廈)』
住所:10 Jalan Besar, SINGAPORE 208787
『Sim Lim Square』
住所:1 Rochor Canal Rd, SINGAPORE 188504
SIM LIM SQUARE
『Funan DigitaLife Mall』
住所:109 North Bridge Road, Singapore 179097
Funan DigitaLife Mall
(了)