ミャンマーのヤンゴンで感じた!? 沸騰するエンターテイメント事情??

注)以下は2013年末に書いたものである。時期は2013年11月~12月にてヤンゴンに滞在していた時のものである。

ミャンマーのエンターテイメントに興味がある人は意外と多いだろう。ミャンマーでクールジャパンを推し進めてコンテンツ消費を拡大させようという事を考えている人が存在している。また、ミャンマーのエンターテイメントの未熟な部分を日本のノウハウでビジネスにしようとする話が聞こえるくらいだ。
しかし、日本ではカルチャーとして健全だと思える領域であっても、ミャンマーではそうはいかないケースもある事がわかるだろう。それほど、現実的には程遠い場合もあるから注意する必要があるだろう。
記者(私)がこのヤンゴンに来てからイロイロと気が付いた事、もしくは教えてもらった事、そしてよく聞かれる話などを書いてみようかと思っている。間接的なモノは複数から同種の話があることをチェックした。しかし、記者(私)の未熟な部分により事実とズレがあるかもしれないが、ミャンマーのエンターテイメントに興味ある方の参考になればと思う。

飲食店に稀に大型のテレビが置かれている場合がある。時期的にはSEA GAMEが開催されており、それを流しているケースが多かった。たまたまであるが日本語らしき声が聞こえたので気になってテレビに目をやると『美少女戦士セーラームーン』が放送されていた。何度も確認をしたが、セリフは全てオリジナルの日本語のままであった。ミャンマー語はミャンマー人の声優による吹替ではなく、ミャンマー語の字幕で放送されていた。どうやら、日本のアニメではこの『美少女戦士セーラームーン』だけでなく、『NARUTO -ナルト-』や『ワンピース』や『BLEACH』は人気が高いとのことだ。『美少女戦士セーラームーン』が字幕であることは目で見て確認したが、イロイロと話を聞いていくとミャンマーでは吹替の技術がないという話があるようだ。ほとんどのアニメーションは字幕で対応されているものだと思われる。もちろん、吹替が無いということは声優を育成する学校等が存在しないということだ。しかし、声優の必要性があることは認識しているようで、他の業界関係者の中でも声優の学校を作りたいという話が聞かれた。また、意外にもオーディションが行われたという話は聞かれなかった。もしあるのなら聞かせてもらいたいくらいだ。
※後日、ヤンゴンの番組制作会社の一つにエンターテイメントの学校についてメールにてお聞きしたところ、タレントを含めエンターテイメントへの人材を増やすための学校は設立したいという希望はあるとのことだ。しかし、彼らには残念なことに運営ノウハウなどがないとのことで設立できないでいるとのことだった。
なお、その番組制作会社において、歌のオーディション番組などを制作するなどミャンマーであまりやられてないことに積極的に挑戦している。意外にも、その番組制作会社は国営であるとのことだ。

ミャンマーでCDは海賊版ばかりであるが、今だにメディアとして健在であるとのことだ。露店や専門店、大きいショッピングセンターなどで見かける。近くのスーパーマーケットではミャンマーのアーティストだけでなくK-POPやアメリカンPOPが存在しており、アルバムで2,500チャット(日本円で約250円)〜4,000チャット(日本円で約400円)ぐらいで、CDシングルは1,500チャット(日本円で約150円)〜2,000チャット(日本円で約200円)ぐらいであった。
特にミャンマーのアーティストは誰でもがCDを出せる訳でなく「カネとコネ」と言ったものが必要との指摘があった。レコード会社に所属し、ダメであれば他の会社に移る事が多いという話も聞かれた。つまり、看板を構えているが実力があるレコード会社かどうかは疑問が残るものである。
頻繁に聞かれた話としてオーディションなど若手新人を発掘し育成するシステムはないと言うことだ。それだけでなく、タレントやアーティストは基本的に個人事業主が多く、彼/彼女達をマネージメントする会社は少ないということだ。もちろん、この話は日本でも気付いている人がおり、ビジネスチャンスと考えている人はおられると思うが上手く行っている話は今のところは無いようだ。

もちろん、イベントやライブは行われている。施設側でスケジュールは教えてくれないケースが多いだろう。主催者が存在しているので、そちらを把握する必要がある。主催者は基本的にオーガナイザーに発注してイベントやライブなどの一切をやっているという事であった。特にイベントをやっている所は『BoBo Entertainment』というところが有名であるとのことだ。

そして、エンターテイメントと言えばミャンマーでは映画館は欠かせないものとなっている模様だ。毎週、木曜日~金曜日の間に映画の切り替えが行われいる事が多いため、週ごとに違う映画を見ることが可能なようだ。上演する映画と時間はシネマ・マネージャーが常駐しているので問い合わせると教えてもらえる。しかし、意外と外国の映画が多いのは、オーナーが外国へ行き直接購入しているとのことだ。周辺国であるマレーシアやタイやシンガポールなどのプロダクションなどに直接交渉していることも多いと聞く。かといって、ミャンマーにはちゃんとローカルの映画を製作しているプロダクションはある。そちらは、ローカルの映画館に行けば見られるということだ。主なヤンゴンの映画館をリストアップして見たところ、それ程は数がない事がわかるだろう。これらの映画館が主要な娯楽の場所になっているようだ。

・Top Royal Cinema(Sein Gay Har Parami)
・Nay Pyi Taw Cinema
・Junction Cineplex (Junction Maw Tin) I
・Junction Cineplex (Junction Maw Tin) II
・Junction Cineplex (Junction Square) I
・Junction Cineplex (Junction Square) II
・Junction Cineplex (Junction Square) III
・Mingalar Cinema I
・Mingalar Cinema(Dagon Center II)
・Shae Saung Digital 3D Cinema
・Nawaday Cinema Hall

そして、日本では健全だとか不健全だとかで騒がれているようだが、ここミャンマーでもクラブは存在はする。主に日本と同じ様にRemixするなどしてDJ達がCDでプレイしている。曲はアメリカンPOPが多く、あるクラブではエレクトロが中心だった。だが、ミャンマーでは日本の様に音楽を楽しむ人達だけが集まる場所であるかと言えば疑問符がつく。風俗的要素が強く、現状は健全な場所ではないとだけ言っておこう。

参考に、今私が手伝っていたヤンゴンのエンターテイメントを紹介しておく。いろいろと改良点などがあると指摘は受けそうな事は承知している。徐々に改良させているのでしばらくは大目に見ていただけると助かります。
なお、全てミャンマー語なのでミャンマー語のフォントが無いと文字化けするにで各自でインストールするなどして頂けると閲覧できる。

YANGON4EVER(ミャンマー語)
http://yangon4ever.com/
※美人時計のミャンマー版(パクリ)があるが、効果はなかった模様。

2013年12月18日 連載.jpにて公開。
『ミャンマーのヤンゴンで感じた!? 沸騰するエンターテイメント事情??』
http://rensai.jp/p/62129